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【欲求に関する心理学】欲求不満とストレスに関する心理学を詳しく解説

「欲求が満たされなくて悶々とする」「日常的にストレスを感じる」「自分は欲深い人間なのだろうか?」この様な悩みを抱えている人は多いと思います。わたしも以前はそうでした。

しかし、人間の欲求欲求不満によるストレスについて理解することで冷静に自分を分析できるようになり、とても気持ちが楽になってストレスを和らげることができます。

この記事では心理学に関する書籍を100冊以上読んできた私が、欲求不満とそれによって生じるストレスについて詳しく解説していきたいと思います。

 

 

1.欲求不満が人間を成長させてくれる

人間の欲求には限りがなく、どんなに裕福な暮らしをしていてもそれに満足できず、また次の欲求が起こってきます。

しかし欲求不満が生じることは悪いことではありません。それは人間を成長させる大きな原動力になっているのです。

 

1-1.実存的欲求不満

これはオーストラリアの心理学者ヴィクトール・フランクル(1905~1997)が発見したものです。

フランクルは、第二次世界大戦時に強制収容所で過ごした経験から、生きる意味を見出すことができないような欲求不満があることを見出し、これを実存的欲求不満と名付けました。

 

実存的欲求不満になると生きる気力をなくしてしまいます。毎日を何の目的もなく過ごし、すべての責任から逃れて生きるようになります。そして無力感に支配されてしまうのです。

 

また、コンプレックストラウマなどの原因にも、この実存的欲求不満が多く関わっているとされています。

 

1-2.マズローの欲求5段階説

アメリカの心理学者アブラハム・マズロー(1908~1970)は、人間の基本的欲求を4つに分け、1つの欲求が満たされるとさらに上位の欲求(成長欲求)が生まれるとしました。

 

基本的欲求の1番目が生理的欲求です。飢えを満たすための「食べる」、のどの渇きを満たすための「飲む」、その他に「排泄する」など生きるために最低限必要となる欲求です。

 

2番目が身の安全と生活の安定を確保するための安全欲求です。

わたしたちは太古の昔から、自分の身を案ずることなくリラックスできて安心して眠ることのできる空間を求めているのです。

 

3番目が親和欲求で、自分が所属する集団に受け入れてもらいたい、愛する人が欲しいなどの欲求です。

 

最後が他人から認められたい、尊敬されたいと願う自尊欲求です。

これら4つの欲求は、1つずつ満たされるごとに階層的に次の欲求へと進みます。また、1つの欲求をクリアするごとに人は成長していきます。

 

例えば、衣食が満たされれば安定して住める家を求め、それができれば次には良い仕事がしたい、結婚して幸せな家庭をつくりたいと欲求し、最終的には人から尊敬される人間になりたいと思うようになります。

 

基本的欲求のすべてが満たされると、さらに上位の欲求である成長欲求(自己実現欲求)へと進み、自分の能力を最大限に発揮し、自己の可能性を高めたいと願うようになります。この欲求に従って行動できるようになると、人生に手応えを感じることができるようになるといいます。

 

2.欲求不満とフラストレーション

人生においては、思い通りに事が運ばないこともあります。そのようなときに、欲求を持つ人の心には、どのような現象が起こっているのでしょうか。ここでは4つにわけて解説していきます。

 

2-1.欲求阻止状況

心理学では欲求があってそれが満たされないことを、欲求阻止状況と言います。

 

例えば、自分が将来やりたいことがあるのに、親から勉強しろと言い続けられる場合(欲求阻止状況)、自分の夢の実現が叶えられないことに不満を持つことからフラストレーションが起きます。

 

フラストレーションは欲求阻止状況と欲求不満が同時に起こっていることをいいます。

 

2-2.フラストレーション耐性

このフラストレーションに耐えるための力をフラストレーション耐性といい、この力を持てるようになることが強く生きるためには必要です。

 

夫婦喧嘩などにはフラストレーション耐性を高める効果があると考えられています。

喧嘩をして日頃のうっぷんを晴らすことによって、気持ちに風穴を空けることになり、ストレス解消になるのです。

 

あまりにフラストレーションが溜まると、そのストレスから防衛機制などの問題行動を引き起こしてしまいます。

 

2-3.防衛機制

防衛機制とは、不安や罪悪感、恥などの不快な感情の気持ちや体験を弱めたり、避けることで心理状態を安定させる作用をいいます。

防衛機制自体は誰にでも現れる正常な心理作用で、通常は無意識のうちに発生します。防衛機制には以下のようなものがあります。

 

反動形成  自分の気持ちとは反対の行動をとること。気が弱い人が強がりを言うなど。

 

置き換え  憎しみ、愛情など抑圧された感情を、別の正しいと認められた目標や行動に置き換える。兄弟からいじめられている子供が、学校でいじめっ子になるなど。

 

合理化(正当化)  できなかったことを理由を付けて正当化し、納得させようとすること。振られた人が、相手の粗探しをするなど。

 

退行  前の発達段階に戻ること。欲求不満が長く続くと、赤ちゃん言葉を使い、現実逃避をする。

 

逃避  空想または病気によって現実から逃れようとすること。

 

昇華  コンプレックスをスポーツや芸術などで解消すること。性的衝動や攻撃衝動などを社会的に有用な活動に転化する。

 

2-4.コンフリクト(葛藤)

コンフリクト(葛藤)とは2つ以上の欲求が同時に存在し、どちらの欲求を充足させるか迷う現象のことをいいます。

 

アメリカの心理学者クルト・レヴィン(1890~1947)は、コンフリクトを以下の3つの型に分類しました。

 

接近―近接型  2つのやりたいことがあって、どちらにしようか迷うような状況で生じる葛藤。(好みの2人の異性の間で迷うなど)

 

回避ー回避型   2つの避けたいことがあって、どちらかを選ばなくてはならないな状況で生じる葛藤。(好みではない2人の異性の間で迷うなど)

 

接近ー回避型  ある1つの事柄にメリットとデメリットがあるような場合、どちらを選択すべきか迷うような状況で生じる葛藤。(好みではないが、資産家の娘や息子であるなど)

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?欲求や欲求不満によって生じるストレスなどについて詳しく解説してきました。

これらのことを理解し、皆さんのストレスケアと人間性の成長に繋げていただければ幸いです。