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【人間関係に関する心理学7選】わかりやすく解説

会社、友人、恋愛、様々な人間関係がありますよね?誰でも多かれ少なかれ悩みを抱えていると思います。この記事ではそんな人間関係の悩みを解決するヒントになるような【人間関係に関する心理学】心理学に関する書籍を100冊以上読んできたわたしが7つに厳選して、それぞれ詳しくわかりやすく解説してきたいと思います。

1.パーソナルスペース(人とうまく付き合うための距離感)

パーソナルスペースとは人間が無意識のうちに使い分けている相手との親密性に応じて自分との接近を許す心理的距離のことです。わかりやすい例を挙げると満員電車に乗っているときに「もっと自分から離れてほしい」と感じたことはないでしょうか?これがパーソナルスペースです。

 

人は誰もが1種の「縄張り空間」を持っているのです。動物が自分の生活スペースを必死で守ろうとするように、人間もあまり親しくない人には自分の縄張りには入ってほしくはないのです。

 

その距離を専門的に調べて発表したのがアメリカの文化人類学者のエドワード・ホールです。彼は人間の心理的距離を密接距離(家族・恋人・親友、0~45cm)個人距離(友人・知人、45~120cm)社会距離(仕事相手、120~360cm)公衆距離(見ず知らずの人、360cm~)の4つに分類しました。

 

人付き合いのうまい人は意識的にしろ無意識的にしろ、このパーソナルスペースをわきまえ、絶妙に使い分けているということです。

 

 

2.同調行動(無意識的に周囲に合わせようとする行動)

人間は会社やグループの中では、そこに属する全員が同じ考え、同じ行動パターンを持つことを求めます。そしてそこから逸脱する者を矯正、または排除しようとします。

 

逆にそのグループの方針になじめる人間は評価が上がりやすくなります。

その他大勢と違った考え方や行動パターンを持つ天才よりも、会社の方針通りに仕事をする秀才・凡才の方が評価されるのはこのためです。

 

人は集団の中では、意識的か無意識的かに関わらず、周りの雰囲気に合わせることでその集団から逸脱しないように気を付けます。これが同調行動と呼ばれる現象です。

 

同調行動は多数決に流される人の特性を示すものとして、あまり良い印象を与えませんが、同じ「同調」でもポジティブな同調があります。

人は他人と打ち解け、信頼関係ができることによって、仕草や表情が互いに似通ってくることがあります。これを姿勢反響と言います。鏡のように同じ動きをすることからミラーリングとも言います。

姿勢反響は仲の良い友人や恋人間によく見られます。

 

 

3.非言語的コミュニケーション(何気ない仕草が本心を伝えている)

人間のコミュニケーションは基本的に言葉を使って行われていますが、意外に言葉だけで伝わっているメッセージは少ないのです。仕草や表情といった非言語コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)で周りにメッセージを送っているのです。

 

アメリカの人類学者レイ・バードウィステルは、個人対個人のコミュニケーションにおける情報の伝達率について、言葉で伝わる確率が35%、その他の非言語手段が65%としています。もっと大勢のグループでは、さらに伝わる割合は減っていくそうです。

つまり人間は圧倒的に、仕草や表情から相手の伝えたい情報や感情を汲み取っているのです。

 

感情というのは隠そうと思ってもなかなか隠せません。驚き、怒り、悲しみ、喜びといった表情は刺激に対する反応によって生まれた不随意運動であり、意識ではなかなかコントロールすることができないからです。

 

 

4.ラベリング(第1印象が与える影響の重要性)

初対面の人に出会ったとき、人は無意識に相手にレッテルを貼っています。これを心理学ではラベリングといいます。「にこやかで優しそうなひとだな」「おしゃべりなひとで信用できないな」「落ち着いていて信頼できる」と相手に対してレッテルを貼ってイメージ付けをしているのです。

 

そして最初に定着したイメージが、その人の全体のイメージを決定してしまいます。これを初頭効果といいます。つまり、第一印象は好き嫌いに大きな影響を与えるということです。

 

アメリカの心理学者アッシュは、実験で初頭効果を証明しています。

彼は架空の人物の特徴について、「知的・勤勉・衝動的・批判的・強情・嫉妬深い」と読み上げて、次に特徴の順番を後ろから読み上げて、印象がどう変わるか実験しました。

その結果、前者の被験者が「欠点は多少あるが、概して能力には恵まれた人間」ととらえたのに対し、後者の被験者は「能力はありそうだが欠点が目立つせいで本来の能力が発揮されていない人間」ととらえました。この結果から考えても、第一印象の重要性がわかります。

 

ラベリングには、その本人を、他人が貼ったレッテルと同じような人間に変えてしまう力もあります。ある人に対して周りが「だらしない」というレッテルをつけると、本人も「自分はだらしない人間」と思うようになり、ついには本当にだらしない行動を取るようになってしまうのです。

 

 

5.人とうまく付き合うためのソーシャルスキル

ソーシャルスキル(社会技能)とは、社会生活の中で人間関係をうまく進めていくために必要な能力のことです。

WHO(世界保健機関)ソーシャルスキルを「日常生活の中で出会う様々な問題や課題に、自分で、創造的かつ効果のある対処ができる能力」と定義しています。

その能力として、意思決定、問題解決能力、想像力豊かな思考、クリティカル(批判的)に考えていく力、効果的なコミュニケーション、対人関係スキル(自己開示、質問する能力、聴くこと)共感性、情動への対処、ストレスへの対処などを挙げています。

 

こうしたスキルは、性格というよりは、経験を積み、学習することで身につくものであり、結果的に自動的にできるようになるととらえられます。

 

一般的にソーシャルスキルの高い人は周囲から好かれます。ちょっとしたことですぐキレる人を良く見かけますが、彼らはソーシャルスキルが低いと考えられます。

人間関係というのは本来ややこしいものです。しかしソーシャルスキルを発達させることによって、人間関係の問題解決の糸口が見えてくるでしょう。

 

 

6.肩書・七光りの心理的カニズム

わたしたちは人を判断するとき、どのような価値基準で相手を見るのでしょうか?

基本的には個人の価値観が基準になりますが、その個人の価値観はちょっとしたことで簡単に変わってしまうものです。

 

たとえばボサボサ頭であまり良い印象ではなかった相手が、数々の文学賞を総ナメにしている小説家であることを知った瞬間、頭のボサボサ加減が創作に対する苦悩の現れのように思えてくることもあります。

 

このように本人にまつわる新たな情報を得ることで、相手への認識が変わってしまうことをハロー効果といいます。ハロー効果が起きるものとしては、肩書や学歴、年収や家柄などがあります。

芸能人などでも、親が著名人だと分かっただけで人気が出たりするのも同じことです。本人の中身とは関係ない部分が評価されたわけです。

 

いくら人間は中身が大事だと言っても、それはじっくりと付き合ってみてからでないとわかりません。ですのでまずは相手に好印象を与えるような服装や身なりを整えて、それから自分の内面をわかってもらえるように努めましょう。

 

 

7.恋愛・結婚のパートナーの決め手となるものとは?

人はどのようにして恋愛や結婚の相手を決めているのでしょうか?

人間は自分に似た人をパートナーに選ぶ傾向があるといわれています(マッチング仮説)

人は自分より魅力的な人に拒否されるのを恐れるとともに、自分より魅力がない人を拒否するため、結果的に似た者同士のカップルが誕生するということです。また、出会った瞬間はお互いのことがよくわからないため、類似点を見つけて強い親近感を得ることで恋愛は進行するともいえます(類似性の法則)

 

しかし結婚を考えた場合相補性(お互いの欠点を補いあう性質)も重要になってきます。例えば大雑把な性格の男性の場合、それを補える几帳面な女性をパートナーに選んだ方が、家庭生活はうまくいく可能性が高いといえます。

 

結婚は男女が新たな絆をつくり出す創造的な行為です。この人と結婚していいのか迷ったときに活用したいのが、イギリスの心理医学者グラハム・ワラスが提唱した創造過程の4段階です。

 

① 準備段階    (出会いのきっかけを増やすため、積極的に飲み会や交流会に参 加)

② 孵化(ふか)段階(デートの機会を重ね、相手のことをより深く知ることになる)

③ 啓示段階    (ふとした瞬間に「この人と結婚するんだ!」という確信が心の中に生まれる)

④ 検証段階    (家族や友人に紹介し、周りの反応もうかがいながら結婚相手としてふさわしいかどうか判断する)

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

自分なりに会社、友人、恋愛などの人間関係に関する心理学を網羅的に紹介したつもりです。

これらの心理学をしっかりと理解して、あなたの明日からの人間関係に生かしていってもらえたら幸いです。