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【性格に関する心理学】性格とはなんなのか?心理学を使ってわかりやすく解説

「あの人は性格が良い」「あの人は性格が悪い」「なんだか最近あの人変わったね」

わたしたちは普段から何気なくこの性格という言葉を使っていますが、そもそも性格とはなんでしょうか?

その人間の考え方でしょうか?習慣づけられた行動パターンのようなもののことでしょうか?

改めて考えてみるとハッキリと説明できる人は少ないのではないでしょうか?

今回はそんな性格について、心理学の観点から考えていきたいと思います。

 

性格は生まる前と後の両方で決まる

性格とはいったいなんでしょうか?古くから心理学では性格をキャラクター(性格)とパーソナリティー(人格)という1つの言葉で定義してきました。

キャラクターとは、その人が生まれた時から持っている資源、いわゆる遺伝的なものと解釈され、逆にパーソナリティーは生まれた後の育った環境の影響から培われたものとされています。

 

性格が先天的要素、後天的要素のどちらに色濃く影響を受けるのかについては、現代においてもまだ結論が出ていません。

 

一般的に、人の考え方や行動は後天的な環境での経験や学習で身に付けられるとされますが、一卵性双生児を観察したデータからは、違った環境で育った場合でも性格が似ているケースがよく見られることがわかっています。

となると、生まれながらのキャラクターに、成長していく間に身に付けたパーソナリティーが加わって性格ができていると解釈するのが妥当でしょう。性格は、キャラクターとパーソナリティーの相互関係によって形作られているようです。

 

性格と同じように使われる言葉に個性があります。

例えば、人の性格に暗い、明るいなどがあるのも個性ですし、服装や色などの好みも個性と言えます。

つまり個性とは、他の人と区別されたその人独自の特徴のこと。もともとという言葉には「分割できない」「他と置き換えられない」という意味があり、性格はもちろんのこと、その人の能力や外見についても広く使われています。

また、感情面の個性として、気質があります。

気質は性格の基盤となっており、遺伝の影響を大きく受けていると言われています。

 

 

兄弟の性格は親の接し方で変わる

兄弟の性格はどのようにして決まるのでしょうか。

同じ親から生まれ、同じ環境で育ったにもかかわらず、兄弟で性格はかなり違います。これは、それぞれの子供に対する親の接し方の違いが、兄弟の性格の違いを造るとされています。

 

例えば、長子(最初の子)に対しては、どうしても親は子育て熱心になりがちで、積極的に子供に関わろうとします。ところが2人目以降(中間子)になると、かなり余裕をもって子育てできるようになります。

また、親は長子には早い自立を促しますが、末っ子にはいつまでもかわいらしさを期待します。

 

長子にとってみれば、次子の誕生によって母親の愛情が半分奪われたように感じることで、それを乗り越え、耐える力がつくとされています。

一方、次子以降の子供は、自分より年長を相手に競争しなければならないので、要領を身に付け、親の注目を集める行動を意識してするようになります。

 

兄弟はその年齢差によっても関わり方が変わってきます。

年齢差が小さいと、お互い意識してライバル心が芽生え、喧嘩も多くなります。

年齢差が大きいと年上は余裕をもって対応できるようです。

 

このように、兄弟関係は人間関係を形成する基礎となり、社会性を発展させていく基盤となります。

しかし、最近は一人っ子が多くなり、親子という縦の人間関係しかできないために、競争や協力、妥協や忍耐といった人間関係の習熟ができない子供が増えているという見方もあります。

 

 

性格と知能は遺伝と環境、どちらの影響?

性格は、遺伝と環境のどちらにより影響を受けるのかを一卵性双生児、二卵性双生児を比べることで研究する方法を双生児法といいます。

 

一卵性双生児の兄弟は、同じ受精卵から生まれてくるため、遺伝子は100%同じです。

一方、二卵性双生児の兄弟は、別々の卵子から生まれてくるため、遺伝子は一般の兄弟と同じです。

ということは、もし一卵性双生児の兄弟の間の性格の差が二卵性双生児の兄弟のそれよりも小さければ、性格は遺伝によって影響を受けるということになります。

また、一卵性双生児と二卵性双生児の差があまりなければ、性格は環境によってより影響を受けるということになります。

 

一方、アメリカの心理学者アーサー・K・ジェンセン環境閾値(かんきょういきちせつ)を提唱しました。これは、ある人間が遺伝の影響を受けて才能を開花させるためには、それが現れるのに必要な環境が一定水準(閾値)与えられていることが前提であるという考え方です。

体系や知能などは遺伝の影響を受けやすいのですが、外国語を習得したり成績を伸ばしたりするためには環境が閾値を超えていなければならないというものです。

 

 

性格をある基準で分類すると、とらえやすい

性格の分類法には大きく分けて類型論特性論とがあります。類型論は性格をいくつかの基準によって類型に分ける方法で、特性論は人間の性格をいくつかの特性の集まりだと考えて分ける方法です。

 

代表的な類型論にはドイツの精神医学者エルンスト・クレッチマー(1888~1964)が提唱した体型別性格分類法があります。クレッチマーは人の体型と性格には一定の関係があると考え、体型を3つに分け、それぞれの特徴を以下のように説明しました。

肥満型(躁うつ気質)・・・社交的で明るく、楽しい性格だが、気分にバラつきがある。

やせ型(分裂気質)・・・神経質で控えめ。周囲と関わるよりは自分の世界で過ごすことを好む。また些細な他人からの言動に敏感に反応するが、他人には意外に鈍感である。

筋肉質系(粘着気質)・・・正義感が強く、頑固で自分の意見を押し通す。また気に入らないと急に怒り出すことがあるが、礼儀正しく、几帳面なところもある。

 

ギリシャ時代からあった類型論

類型論は、古くは古代ギリシャの医師ヒポクラテス(前460~前377)が唱えた四大体液説にまでさかのぼり、以後もさまざまな説が唱えられました。

四大体液説・・・古代ギリシャの医聖ヒポクラテスが提唱。人間の身体を血液、粘膜、黄胆汁、黒胆汁という4種類の血液別に分け、そのバランスがとれていれば健康を維持できるとした。

体液理論・・・古代ギリシャの医学者ガレノス(129ごろ~200ごろ)が提唱。人間の身体を多血質粘液質胆汁質憂うつ質(黒胆汁質)四大気質に分類した。

ユングの類型論・・・ユングは、人の基本態度から性格を外交性内向性に分けた。さらにそれぞれを思考型、感情型、感覚型、直感型に分けた。

 

 

人の性格は、テストによって分析することができる

人の性格は、生まれながらに持っている遺伝や気質を基盤として、後天的に受け入れる環境や様々な経験などを認知しつつ段階的に形成されていくものです。

そして、日常的には、性格はその人らしさを表す行動であり、特徴と解釈されます。

そこで、その人の性格や性格から現れる行動が、学習活動や企業など、さまざまなシーンにおいてふさわしいかどうか見極めるための判断基準、すなわち性格テストが必要とされるようになりました。

 

性格テストは検査方法によって違いがあり、大きく以下の3つに分けられます。

質問紙法・・・アンケートと似ており、質問事項に対して「はい」「いいえ」や、「どちらでもない」といった答えを出して性格を探る方法。

作業検査法・・・ある特定の検査場面を設定し、それによって作業した結果や経過から性格の特徴を判断するもの。

投影法・・・その人にある刺激を与え、その反応から深層心理を探り、性格を判断するもの。

 

バーナム効果

どんな人にも当てはまるような性格記述であっても、当人に向かって言うことで、その人が信じてしまうような心理的効果をいいます。

 

バーナム効果で引き合いに出されるのが血液型占いなどの占いです。現在の心理学では、血液型と性格との因果関係は実証されていません。にもかかわらず、大多数の人が血液型占いを信じているのは、あたかも自分の性格を言い当てられているように思いんでしまうためでしょう。

中には、そのうち血液型占いの結果に基づいた行動を取るようになる人もいますが、これは自己成就予言の1種と考えられます。

 

ちなみにバーナム効果の由来は、アメリカのサーカス興行師バーナムが行った心理操作から1956年に命名されました。

 

 

 

自分では気づかない自分に気づく「ジョハリの窓

自分自身の性格について、自分で思っているのとは全く異なる印象を他人が持っていることはよくあります。それを図で表したのが、アメリカの心理学者ジョセルフ・ルフトハリー・インガムが発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」です。

後にこの2人の名前を組み合わせて、ジョハリの窓と呼ばれるようになりました。

 

これは、自己の領域を格子窓のようなものだととらえ、4つの窓(領域)に分けたものです。

つまり人間には、他人と自分の両方が知っている部分(解放領域)、自分は知らないが他人は知っている部分(盲点領域)、自分は知っているが他人は知らない部分(秘密領域)、どちらも知らない未知の部分(未知領域)の4つがあるとされています。

 

自分の性格に悩む人にとっては、自己開示力を高めることによって解放領域を広げたり、秘密領域を少なくしたりすることが大切です。

また、盲点領域を指摘してくれる他人の存在を大切にしたり、未知領域を通して可能性を広げることもできます。

悩んだときにはジョハリの窓を書いて心を整理してみると良いでしょう。

 

 

 

脳の働きには個人差があり、個々の性格に表れる

性格を形成するものの1つとして脳の機能が挙げられます。大脳辺縁系にある偏桃体(へんとうたい)や海馬は、人の性格を穏やかに保つ機能を果たしています。

偏桃体は食欲、性欲、感情などをコントロールする役割があり、ここが壊れると食欲、性行動、喜怒哀楽のコントロールが効かなくなるなどの異常が現れます。また、記憶がスムーズに行われるための器官である海馬が壊れると、記憶障害が発生します。

yamazo0224.hatenablog.com

 

 

脳機能に異常がないまでも、もともとその人が持っている脳の機能の違いによって性格に差が出てくることもわかっています。

アメリカの心理学者デボラ・ジョンソンは、内向的な人の脳と外交的な人の脳を調べ、内向的な人の脳は前頭葉視床下部の活性が高く、外交的な人は側頭葉や視床後部などの活性が高いことを発見しました。

また、シャイな人は普通の人よりも脳の偏桃体の活性が高いという実験結果が出ています。

 

つまり、人の脳には個人差があり、それが性格に表れているともいえるのです。

 

男脳、女脳

男の子と女の子の成長過程を見ると、一般的に女の子の方が言葉を話し始める時期が早いようです。

これは言葉を司どる機能のある左脳が、女の子の方が発達していると考えられます。

一方、男性は方向感覚に優れ、女性には方向音痴が多いとされています。これは空間認識を司る右脳が、女性よりも男性が優れているといわれる所以です。

 

右脳と左脳の情報交換の役割を果たす脳梁(のうりょう)は、女性が男性よりも大きく、そのため細かい心配りや感覚があるとされています。

男性は脳梁が小さいため、左右の脳の情報交換を臨機応変にしにくく、失敗などしてもンネルをすぐに切り替えることができません。

このように性差によって脳の機能に違いがあり、さらに個人差もあるのです。